𠮷岡(よしおか) 秀人 (ひでと) (58)

 1965年、大阪府生まれ。大分医科大学(現 大分大学医学部)を卒業後、大阪や神奈川の救急病院勤務を経て1995年秋から、ミャンマーで医療支援を開始した。2年間活動する中で小児外科技術習得の必要性を感じて帰国。国立岡山病院や川崎医科大学で小児外科医として経験を積んだ後、2003年にミャンマーへ再渡航し活動を再開、翌年国際医療ボランティア団体「ジャパンハート」を設立した。2008年には東京に事務所を開き、同年にNPO法人格を取得、理事長に就任する。𠮷岡さんは15歳の時にテレビで観た、飢餓や戦争で苦しむアジアやアフリカの子どもの映像を忘れられない。先進国との医療格差を理不尽に感じ、 19歳の時に“医者になって医療にアクセスできない人に医療を提供しよう”と決意する。活動当初、紛争地域の医療活動に従事する日本人はいたが、貧困層に対する人は𠮷岡さんだけだった。10年を過ぎた頃から活動を共にする医療従事者や寄付が集まり始めた。ジャパンハートは日本国内でのへき地や離島への医療従事者派遣の他、ASEAN圏内で発生した大規模自然災害への医療支援活動も行っている。𠮷岡さんは現在もジャパンハートの最高顧問として年の3分の2を海外での医療活動に充てている。これまでの功績が認められ2021年に「第69回菊池寛賞」を受賞した。