寺田(てらだ) 朗子(さえこ) (67)

 1946年、東京都生まれ。1965年、東京外国語大学フランス語学科入学。在学中には政府国費留学生として1年間、グルノーブル大学へ留学した。結婚や2度の出産を経験し、1975年に大学を卒業。フランス語を習得したことが寺田さんの生活を大きく変えることとなった。母親業、主婦業に専念していた1992年、フランス生まれの団体、「国境なき医師団」が日本で活動を始めるときの最初のボランティアとして参加。医療に関係のない立場から組織を支え、1999年に同団体がノーベル平和賞を受けた時には、当時日本の会長であった寺田さんは日本代表として授賞式に参列した。
 経験を生かして1997年に「国境なき子どもたち(以下、KnK)」の設立に尽力。2007年以降はこちらでの活動に専念している。今年で設立15周年を迎える「KnK日本」では現在、アジアや中東で、貧困・人身売買・虐待・自然災害など、さまざまな理由で恵まれない環境におかれている子どもたちの職業訓練を実施している。そこに、自分にできる何かがあるなら、出かけて行って手を差し伸べ、子どもたちの夢をかなえる手伝いをしてあげたい。寺田さんは、子どもたちに笑顔を取り戻してもらいたい、と精一杯の応援を続けている。